読むこと、見ること。

読んだこと、見たことの感想、批評。思ったことなど。

溝口健二 お遊さま

溝口健二 お遊さま 1951年

 

映像が美しい。日本の様式の映像が流れていく。それだけで見ていられる。上品な言葉遣い。

犠牲の精神が強調される。日本人の精神性にとって、他者への遠慮、謙遜、犠牲が美と結びついてとらえられていると思う。妹はこれから過ごすだろう幸福の生活の前に死ぬ。姉は赤ん坊を受け取り、すべてを悟る時に詩的な言葉を並べる。

犠牲、死、美

これらが日本人の精神なのだと再認識させられた。

それを批判することは容易だろう。ただ私はそこに美しさと故郷の在り処を感じた。