読むこと、見ること。

読んだこと、見たことの感想、批評。思ったことなど。

2020-01-01から1年間の記事一覧

哲学の誤配と対話篇 ※その他文化論など

哲学の誤配と対話篇を読んだ。久しぶりに東浩紀の本を購入して読んだ。韓国での講演をもとにして作られた『哲学の誤配』と日本の識者との対話を集めた『対話篇」は二冊とも読みやすく、すぐに読み終えることができた。各識者との対談はどれも興味深く、知的…

ジャック・リヴェット 美しき諍い女

ジャック・リヴェット 美しき諍い女 1991年 エマニュエル・ベアールが美しい。見たのは2回目。6年くらい前に見ただろうか。フランスの初夏のみずみずしさが映像に溢れる。その光景と対照的に画家の作業場での暗さが何かもの怪しさを物語っている。 画家の固…

濱口竜介 天国はまだ遠い

濱口竜介 天国はまだ遠い 2016年 何が現実なのか、戸惑ってしまう映画だった。幽霊が雄三にのりうつるとき、それはふりなのではないか。いや、あの女子高生は、幽霊でそばで横になっているからのりうつっているのではないか。映像通りなら、のりうつっている…

溝口健二 雨月物語

溝口健二 雨月物語 1953年 男の欲望の抑えきれなさやそれに被害を受ける女。 見ている側として、女と出会った後の世界観はすでに、その幸福がつかの間であることがわかってしまう。 ぼんやりとした温泉の湯気、湖の映像の不確かさが幸福が現実ではないことを…

溝口健二 お遊さま

溝口健二 お遊さま 1951年 映像が美しい。日本の様式の映像が流れていく。それだけで見ていられる。上品な言葉遣い。 犠牲の精神が強調される。日本人の精神性にとって、他者への遠慮、謙遜、犠牲が美と結びついてとらえられていると思う。妹はこれから過ご…